チェリーブロッサム

桜といえばここらへんでは国立でしょう。駅の南口を出て御覧なさい。ロータリーをぐるっと何本もの桜の木が囲んでいます。そしてそれが大学通りの何千本（？）へと続くのです。そしてそれは一橋大学を超えてもまだまだ続くのです。そして名前のとおり桜のアーチの桜通りへと入っていくのです。

「行政６人衆」が桜に誘われて集まりました。３月土曜日駅前６時、つぎつぎと懐かしい顔が集まります。年１回の集まりが全員会社を離れた今も、もう４，５年続いていますが今日はなんと救急車のお世話になりました。

私たちは年の差が２０あるという変則仲良しさんです。もちろん年もですが、性格も状況も違い個性があるグループです。楽しくワインを飲んで一人一人この１年の近況などを述べて、一番年が下の彼女が

「みんなでどこか旅行でもしたいね」

などと言い、

「温泉はやだ」

などと私が言い、おいしいと評判のレストランで桜のコースと銘打った食事を楽しんでいたのですが、年が上から２番目の彼女が言います。

「なにやら酔ったみたい、なまあくびがでる」

と。

彼女の左側に座っていた私のひざに頭を乗せました。右が下のほうが楽かも、と右側に座っている下から３番目の彼女のひざに頭を乗せます。その間もなまあくびをしています。そして吐き気もする、トイレに連れていってといいます。洗面所へ行くとおなかが痛いとドアの前にかがみこんでしまいました。床に倒れこんで冷や汗をかいています。お店にタクシーを呼んでもらって私が送ることになりました。彼女の家は桜通りにあるのです。しかし家で寝かせておくだけでは心配、病院へと行き先が変わります。

「病院へ行くなら救急車のほうがいい」

と上から３番目の彼女が言います。そのように変更です。私は救急車を呼ぶのは初めてなのでちょっとこわいのですが、上から3番目の彼女はおじいちゃんの具合が悪くなると救急車で病院へ行くのは私の役目で慣れていると言います。心配そうな３人を残し２人で付き添います。救急車の中から病院へ電話をし、３番目の病院に受け入れられて救急車は走り出しました。車の中では症状を聞きながら彼女の住所や電話番号を聞かれ、付添いの人の名前などを書きます。その間も彼女は痛さをこらえています。ピークにはけいれんのようにふるえています。付き添いの彼女と顔を見合わせます。

病院に到着し家族にも連絡がつき消防士の長男が駆けつけてきました。彼女もほっとしたようです。付き添いの彼女が言います。

「男の子って頼りになるでしょ。お宅はおんなの子２人だから、あ、でも次女に彼がいるんだっけ？」

「あ、かとちゃん？」

なんて話しながら、だんだんおちついてくる彼女を見守る。血液、尿検査の結果は異常なし。水分の摂取量が少ないというのと貧血気味というだけで痛み止めの薬をもらってほっと一息。長男が運転する車で国立駅まで送ってもらって別れた。病気じゃなくて安心もし、長男っていいね、とも思った。

さて私の年は上から何番目でしょう。

答え。私は一番上のおねえさんでした（でも上から3番目までは大差ないのです。ホント）。