アセ・ブエン・ティエンポ

 

アセ・ブエン・ティエンポ（晴れた日）には布団干し、アセ・マル・ティエンポ（天気が悪い）、エスタ・ヌブラド（曇りの日）にはガラス磨き、又、アセ・ブエン・ティエンポ（晴れた日）にはちょっと遠いスーパーへと、それぞれの日和があるものです。
アセ・ムチョ・フリオ（とても寒い日）は何もしなくていいでしょう。アセ・ムチョ・カロル（とても暑い日）で、アイ・ウメダ（じめじめしている日）とか、エスタ・ジョビエンド（雨降りの日）も何もしなくていいでしょう。

ケ・ティエンポ・アセ（今日はどんな天気ですか？）
ケ・ティエンポ・タン・ブエノ（今日はなんて良いお天気でしょう）
みんなが出払った今日は「カビキラー日和」とみた。

換気扇をつけ、部屋の窓を網戸にした。さむい！
風呂場のドアのパッキンを集中攻撃した。
カビキラーは泡になりくっついている。よしよし・・。
シャワーの元のあたりの凹凸にも集中攻撃だ。そこでせきが出た。
風邪でもないのにせきこんだ。
「きた、これか」
と思いつつ換気扇はつけたまま風呂場のドアを閉めた。
そのまま少し待つ。
今日は寒いがひざしはあたたかい。さっき開けたガラス戸を閉めた。テレビを見た。少し眠くなった。
とっても眠くなった。昨日も夜更かししたからだ。そうだ、ここで挽回だ。布団に入った。
Ｚｚｚ・・・。


こわいお風呂洗剤を３本購入した。３本もいらないだろうということだが、噴出し口付と詰め替え用２本セットで売っていたのでそれを購入したのです。その類の洗剤を使い死亡事件が起きたという事件を聞く。防水加工のスプレーを室内で使い気分が悪くなった話も聞く。しばらくおいておいたが、置いておいても風呂場がきれいになるわけでもなく・・決心をして使おうと口についている白いキャップをはずした。

むりやりはずした。ねじ切った。それはまちがいだった。そのキャップで液体は泡になる、という代物だったのだ。カビキラー専用スプレー使用。他の容器に移して使わない。他の容器に移し替えるのも危険と思い、途方にくれてしばらくほおって置いた。がそれではいつになっても風呂場がきれいになるわけでもなく・・しばらくしてから決心をして、もう１本を購入した。そうして３本になったカビキラーが待機している。

必ず単独で使用。酸性タイプの製品や食酢、アルコール、アンモニア等と混ざると有害なガスが発生して危険。使う時は他の洗剤は使わない。もちろんこれ一つを使うつもりだ。

体調がすぐれない方や、心臓病、呼吸器疾患等の方は使わないこと。家族がいない時の方がいいのか、私一人で風通しをよくして使えば大丈夫かと考える。家族に影響のないように、一人の時がいいだろうと思う。洗剤に手をかける。
だがまてよ。若し私一人の時に使って気分が悪くなったら、うすれゆく意識の中で、ドアの外に出て救出を待った方がいいのか、誰も通らないドアの外で・・この季節だもの、凍死でもしちまうのか。
たとえば家の中で倒れたとしよう。数時間後に家族が帰ってきたときにはもうすでに・・となるのか。凍死か・・。すでにか・・。どっちにしようか。

換気扇がある場合は併用し、窓や戸など２箇所以上開けると効果的。
どちらとも決めかねたまま、とりあえず換気扇をつけ、部屋の窓を網戸にした。さむい！


Ｚｚｚ・・・。
起きた。次女が勤めから帰り又遊びに出て行った、ようだ。いつもそうだ。元気すぎる。勤めから帰ると風呂に入り、又出掛けるという生活を・・ふろ？フロへ入った？
風呂場へ急行した。マットがぬれている。入ったんだあ。
シャワーだけみたいだから・・きっと大丈夫。と思いながら、さっきのパッキンのところが真っ白になっているのを見る。最初から白かったのかもしれない・・とも思える。

次女が、たとえばカラオケで
「ちょっと気分が悪いけどなんだろう」
「酒の飲みすぎかな」
とか考えているのではないか。心配しながら夕飯が終わり、夜が更ける。
次女は帰ってこない。ぱったり倒れちゃって今頃救急車で運ばれているとかだったら、どうしよう。

「ただいまあ」
「あんた、げんき？」
「うん、げんきだよ」
「あら、よかったあ」

マスク、ゴム手袋、目の保護にめがね等を着用。付け替え時は液はね等に注意。
ここまでは読んでいなかった。そんな重装備が必要だったとは・・。

パッキングやコーキング等の奥まで入り込んだカビはおとしにくくなるので早めに手入れする。５分ですっきり「カビキラー」、まぜるな危険の文字がある。

あと２本の新品が待っている。アセ・ブエン・ティエンポ（晴れた日）に再度、決行か。結構か。
どちらとも決めかねたまま、とりあえず２本の新品を戸棚にしまったのでありました。