サタデー夕方フィーバー（プレゼント）

友達はかぶれたけど私はかぶれないという自信があった。
土曜日の午後なので閑散とした病院の、ベンタニージャス　デ　コンスルタ（診療窓口）へ行き、一応サラ　デ　トラタミエント（処置室）へ入り、で避雷針の取り外しをしてもらいました。絆創膏の痕が少しかゆくて・・・今見たらみみずばれみたいになってるしぃ。帰りにプレゼント購入の為ある店に寄った。ワソランは店員をいかり倒し、鬼平は善後策を編み出したというドタバタの顛末をこれからエッセイに仕立てる所存でございます。乞うご期待！


その店に行こうかねと意見がまとまった。
プレゼントは白いカップ２つに決まりそう。　
店員のお姉さんを呼んだ。ショーケースの中にあるだけなのでそれは１つしかないという。
「スルーだね」

１つしかないと言われ振り出しに戻ったと思って歩き出した途端、白いカップがなんと隣の横の裏の場所にあった。同じものかと目を疑った。その箱を持ってショーケースの前に行き、中にあるものと同じだと確認する。値札シールがついていてこちらの方が千円も安い。その時、私は「よし、まかしとけ」と張り切る。夫は「いいよ、やめよう」という素振りをみせる。夫の様子を知りながらもそんなに強い気持ちではないと察しさっきのお姉さんを探す。その不思議を突きつけたら、その箱を見つめて店員達が丸くなり協議している。

あまりに長いので、
「店員も分からないんだよ。こっちの赤と緑の色違いの方にしよう」
と夫が決断する。
「よし許してやろう」
売れた品物の値段表がそこに置かれたようです、という顛末を店員のお兄さんから聞きながら、こっちの赤と緑のカップにすると告げた。「プレゼント用にね」と言うと、今度はショーケースの中にあるものには箱がないという。
「スルーかね」

「さっきの隣の横の裏の場所にあるんじゃないの」
店員のお兄さんを引き連れてそこへ行く。
なんとあったではないか。そしてラベルも見ないで箱を２つ持ちレジへ向かう。

夫が言う。
「赤と緑だよ」
チェックしたのか？？の気持ちがある。ここで言っておくが赤だけが少し大きい箱で緑と青は同じである。
「今確認します」
レジでセロファンをはがしちゃって中身の確認をはじめた。
中身を見せて
「これでいいですか」
という。

手にはカップが２つ。よく見るとひとつは柄が違い色も違う、青だ。赤と緑を探しに行ったのに青を見せて「これでいいですか」と平気で言う店員が、値段表が隣にずれたことにも気が付かないでいた店員が更に言う。
「赤と青の箱入りはあるが緑の箱はない。どうしますか？？？」

バカラのグラスやミントンや、ウェッジウッドのカップが並んでいるショーケースの中のものの箱は捨ててしまうのでないという。それはプレゼント用になる可能性が高く箱がないのは考えられないでしょうに。それを捨てておきながら、隣の横の裏の場所にある箱をこちらに利用することは中身が同じサイズでも出来ないと言う。箱がいらない普段使いの人、じゃない客がここにいるというのに、そいつが考えてなんとかしろよ。おい！！とまりあは言いたい。

そんなふうなことを、まりあは、言った。
夫がその時提案した。
「赤と青の箱があるなら、青の箱に緑を入れてプレゼント用にしてもらって、青のカップは自宅用に買うというのはどうか」
などという善後策を考え出した。専門知識も管理能力も責任感も礼儀もない店員のおにいさんはすぐ納得した。一流の店だったら支配人が客に気付かれずに気を利かす、お客様の為でしたら身を粉にして・・・一流の店はもとより箱を捨てないだろうしぃ。
包装紙で包んでシールを貼ってリボンをかけて・・・時間がかかった。
「シャネルの５番」も購入しこれでプレゼント選びは終了した。


夫は争いを好まない穏やかな人間で解決策を前向きに考える人なのだと、奔放でありつつも忍耐力があり、そりゃ少しおばさん化したまりあではあるけれど、感心したのでありました。この一件で興奮し疲れたのか、その夜まりあは１０時間もぐっすり眠った。薬も飲まずに・・・・・・・・・。。。


ワソランは店員にいかり鬼平は善後策を編み出した、という顛末のエッセイはお約束どおり出来上がり、７年目のＨＰにアップいたしました。題名は　『サタデー　夕方　フィーバー』　副題（プレゼント）としました。昨日鬼平はその紙袋を会社に持って行き喜ばれたそうです。

めでたしめでたし コロリン　コロリド（ハッピーエンド）。