ミッドナイトアッシー（迎えの話）

海ほたるへふたご座流星群を見に行き、フットサルで準優勝などもしていながら、残業し１２時帰宅そして早朝出勤、深夜出勤などもある。年末年始出勤も重なり１月、風邪からノロっぽくなりダウンした。そんな長女の希望を携帯電話で知らせると、会社帰りにゼリーが届く。次の日はバナナ。すき焼きが食べたいと言えば、肉をはじめとする野菜など８種類を買いに車を飛ばしてくれる。パパはっ長女のアッシー君に変身した。

深夜を回り終電の時間が近づくと・・・メールがくる。

「電車が動かない」

「駅にタクシー待ちの人が20人もいる。しかも雨」

「迎えに来てくれたらうれしいのですが・・・。」

土曜日の朝「フットサルの練習に送って」とか

日曜日の朝「フットサルの試合なので会場まで送ってくれるとか」とか

休日出勤「正月の早出(5時出)なので会社まで、とか」とか

「送ろうか？」と言っているとはいうものの。

逆に長女がパパのアッシーにもなる。

「12時過ぎ着。飲んだ　迎え」

「マジ？ならＥが出動するよ」

「本気だったのね。Ｅお嬢様が向かいます。よかったね」

最寄りの駅からはほんの数百メートルと近いのだが、その線の終電は早い。中央線からは歩くと20分はかかるというややこしい場所ではあるわけで。。。私はひたすら二人の仲を取り持つ役をする。なぜなら私は車を運転しないし（わがまま？）、買い物に行かない人！（仮病？）。

平成20年先日のドラマ

「電車が動かないタクシー行列　傘なし　○○まできて」

「寝てるかぁ金曜日なら起こしてほしかった。ママがチャリでもいいのよ」

その日台風で雨と雷の中深夜のメールが来た。

寝ているパパに報告にいく。

「こんなメールが来て、駅で困っているみたいだよ」

「酒飲んだしなあ」

「タクシー待ち20人がまだ5人いるようなら行くか」

などをいう言葉をメールしようとしていると

「借りがあるからな。酒飲んでから時間も経っているし」

と起きてきて、着替えて鍵を持つ。

「パパお迎えに参上です」

とメールを送って、その返事を待たずに出発していった。

いつもなら「ありがとう」などと返事がくるがその日は来ない。駅で会えないはずはないので長女を乗せた車がもうすぐ戻ってくるはずなのだが時間がかかっている。私は心配して玄関を開け、稲妻が走る夜空を見る。すると

なにやら玄関脇の自転車置き場で自転車を物色しているような人がいる。こんな天気にこんな時間にあやしいやつだと見ていたら、タクシーが止まり長女が玄関に走りこむ姿が見えた。あれえ。どういうこっちゃ！

行き違いでタクシーで帰ってきてしまったのか。パパは駅で待っている。送ったメールの確認をしたら、「パパがお迎えに参上です」というメールが『送信不能』になっていた。ドコモのメンテナンスに引っかかったという結論まで、玄関の外でパパの車が戻ってくるのを二人で待っている。携帯電話を掛けても通じない。

めったにないであろうメンテナンスの時間とぶつかるなんて。その時マンションの世話人のおじさんが子供用の自転車が雨にぬれるので場所を移したりしていたと言いながら、タクシーで帰って来た長女と私の所へ来た。深夜1時すぎだというのに、マンションの廊下で井戸端会議のようなものが始まった。

私たちは連絡のつかないパパを帰宅させる方法を模索している最中で、どうしてメールが届かなかったのか、どうして電話が通じないのか、と疑問を話したり、こういうメールを送ったとその携帯画面を見せたりしているのに、そのおじさんはゴミ置き場の屋根から落ちる雨が子供用の自転車にかかることを心配している。合鎚を打ちながらも最後は少し無視もする。だって、こっちの話を詰めることが先決問題だから。「すごい雷だねえ」といい、おじさんが帰って行った。

やっと通じた携帯電話でもうすぐパパが帰ってくる。

私たちも家に入った。

留守電の赤い点滅をみると数件増えていた。