ダスキン（モップ騒動）

私が今の出来事を話したら、テディがさっきの話をしてくれた。

ゴルフの帰りに丸井に寄って買い物をしようと思い立った。駅ビルになっている丸井には車で入ったことが数回あるかないか、又あっても私たちがあっちだこっちだと言って、言われたように動くので一人では大変だったみたいで・・・。

ぐるぐる回ってそれらしい入口を見つけ入ったそう。２階３階とのぼってから、店への入口を駐車場の中で探す。ぐるぐる回ってそれらしい入口に入ったところで、車を置いた場所を覚えてこなかったことにきずき戻ったと。確認してから歩き出し、駐車券を車に置きっぱなしで持って来てないことにきずき又戻る。

買い物を終え、駐車場への入口を探す。MとLという店の連絡口もあり駐車場への降口もある。掲示板を見ると連絡口がある階とない階があることもわかった。そしてやっと車にたどりついた。そんなこんなで差し込み口がUSBのワイヤレスマウスを買ってきてくれた。

私の話ですが・・・。

久しぶりにやる気がおきて洋服の処分をした。たくさんの衣類を縛り、バッグもそして台所の生ごみも、缶をまとめた袋もペットボトルの袋も、ベランダにあったポリの植木鉢たちを集めてあったものも、風呂の掃除に使っていたブラシやなんかの袋に入れて造花も針金をまげて袋に入れた。ベランダから部屋を通り玄関に運んだ時ざらっとしたものをルームシューズで踏んだ。まさか残っていた土がこぼれたとは思わずに。

玄関の外につぎつぎと置いて、エレヴェーターへ行こうとすると砂がシャラって落ちた。針金で袋に穴を開けたらしい。おやおや、まいいか、ということはさっきのざらっとしたものを踏んだ気がしたのはこれだったのかと納得しながら、エレヴェーター前に二度通い荷物を運びいれた。

一階に着き荷物を運び出した。ざらっと音がしてエレヴェーター内に砂が落ちた。結構入っていたんだな。くっついていた泥がかわいて砂になったのかもしれないな。今日は雨が降っている。レインコートを着て外に出る時にフードを被る。ゴミ置き場までも二回往復した。

展開　

帰ろうとした私とすれ違いに、５０３のご主人がエレヴェーターで降りてきた。

「こんばんは」

私の砂ってわかるだろうから、さっきの砂を掃除しましょうと思った。一階の郵便箱の下に使用済みモップの箱があり、その隣に掃除の際の忘れものなのかなぜか箒があったのを見つけて、ちょっとそれを借りた。借りてしまったと言った方がよいかもしれない。それを持ってエレヴェーターの中を掃いた。掃きながら上に上がった。箒を借りたら塵取りを持ってこなくてはならなくなり、結局家へ取りに帰り砂を取って、砂が入った塵取りはエレヴェーター前に置き、箒を返しに一階に降りた。

５０３のご主人がまだいる。

「こんばんは。今箒を借りたので、返しに・・・」

そこへ５０３の奥さんがエレヴェーターで降りてきた。こんな時間にご夫婦でどうしたのかと思った。先日のマンション掃除の際に使ったモップが一本戻っていないのでダスキンが回収に来られないということだった。だれかが自宅の掃除の為に借りたいという話もあったらしいが、戻してくれていないと困っていた。しかもそばにたてかけてある箒の持ち主がモップを持って行ったのではないかと思っていると言う。それを使ってしまった私はついてないなと思った。

一刻も早く解決して、ないかもしれないけどあるかもしれない少しの濡れ衣をはらしたいと思った。マンションの件数は少ないし、声をかけて聞いてみてもいいじゃないかと提案し、私は一階の５軒のベルを鳴らした。理事長のご主人もついて来てくれて１０１のインターホンを押した。奥さんは４階から聞いてみると言いエレヴェーターに乗った。１０１は知らないと言い、１０２は留守、１０３は親がいないと子が言う。１０４は留守。１０５も留守。１０６は５０３のご主人から聞いてもらった。知らないと言う。

５０３の奥さんの声が４階あたりで聞こえたので５０３のご主人とエレヴェーターに乗った。２階３階を過ぎる時、エレヴェーターの小窓から外を見ていたご主人が塵取りを見つけた。

「あっ、今」

「ああ、あれは私のですから」

下の箒と３階の塵取りは頭の中でセットになり、ますます私に嫌疑がかかったのではあるまいか。そうじゃないんですけどお。結局、様子をみてみましょうということで別れた。

夜、電話が来た。５０３のご主人からモップが戻っていたという内容かと思った。しかし１０１のご主人からだった。どうしてウチに聞きに来たのか疑われているのか、と言いつつ、１０２が網戸掃除に借りたいと言っていたという情報をくれた。一階をずらーーと聞いたのであって、気になってしまったのならすみません、などと言ったが疑われているのかと思って、と繰り返しやはり心外に感じたらしい。

モップが一本足りない箱はずーっと置いてある。まだ戻ってこない様子だ。

２〜３日後、又ゴミを捨てに行く。

今日は新聞をまとめたものをふたつと、生ゴミの大袋を一つと、ジルのトイレ用品を捨てる。エレヴェーター前に新聞の束を置いてエレヴェーターを呼んでおき、もう一回家に戻る。その時外に人影が見えた。今度は生ごみを持っていく。呼んでおいたエレヴェーターを新聞の束でおさえながら、もう一つの束を入れて生ごみの袋も入れて、新聞の束のつっかえを取り入れるという作業をする。

下まで降りるとさっき見たのは５０３のご主人だった。モップの件はどうなっているのかと思いつつ、新聞の束でエレヴェーターをおさえながら、もう一つの束を出して生ごみの袋とジルの袋も出す。聞いてみると、こんなことは初めてでダスキンさんにモップ一本分弁償して早く終わらせたいと言った。しかも回収にくるのは明日のはずなのに、今来てみたらモップの箱ごとなくなっていると言う。それはきっとダスキンさんが取りに来たんでしょうと言いながら、ジルの袋を少し隠し気味でゴミを捨てた。

これって、もしウチにこの件の報告をしに来てくれた時に、それはモップが戻ったという報告ならいいけど、その時リビングの仕切りドアの向こうから、黒猫ジル様がのぞいていたりしたら、それはどんなにかわいいジル様でも、マンションの規約を破って内緒で猫を飼っていることがばれるわけで・・。

「私はとんだうそつきおばさんになってしまうかもしれないね」

と今までの細かいことをざっと話してテディと笑った。