土曜日の午後、「午前中の時間割」を見に

　　　　　　　　　　　　　　　　本社・システム部　○○○○・○○さんご夫妻

　土曜日だというのに麻雀の面子も揃わず、仕事も暇で、つい、前の席の子に言ってしまった。「映画見に行こうか」。昭和４８年１０月１４日、題名「午前中の時間割」。

　慌てると袴の片方に両足入れてしまうからと注意されていたので慎重にはいた。２，３歩あるいてすっころんだ。袴の半分が丸々余っていた。昭和５０年１２月２１日、赤坂日枝神社。

　システム化された披露宴はどうにもいやだった。某所に会場の都合がつき、ガリ版で案内状を作る。新宿の中華レストランの店長と料理の交渉をし、歌舞伎町のパブのピアノ弾きの協力を得て夜中の三時、二トントラックでみせの楽器を本人もろとも運び出した。

あれやこれやのハンドメイドパーティーは披露宴と言うよりほとんど職場旅行の宴会。そのフィナーレは新郎新婦によるギターとフルートの合奏「母さんの歌」。きまるはずだったがチューニング忘れで喉をかきむしるようなハーモニー。

　あっという間の十四年。家内は子供たちから「軽すぎる」と言われながら、今でも自分は若いと思っているらしい。

もうすこし変われ、俺なんかずいぶん変わったぞ。特にウエストなんか。

　　　　　（平成元年8月1日）　（鬼平）