秋の新幹線（クレマチスの丘）
★『旅の始まり』①新幹線のチケット売り場で困った様子の人が目に入った。
何度もコーナーを超えて自動券売機の方向を見ている。見てはカウンターのお姉さんと話している。丁度その左隣が空き私もチケットを購入する。一番近い時間のこだま自由席の座席を調べてくれているその間もキャリーバッグから離れられないその子は何度も何度も改札口方面を見ている。私のチケットを受け取り支払も済ませたところで聞いてみた。私はお節介と親切心が結構あるようだ。
「何を落としたの」
「バッグを」
「それは落とし物じゃないわね」
外国でもないのに置き引きかと思った。私も早くホームを確認して安心したいし離れるしかなかった。
「かわいそうに」
と言って離れた。
これから旅行に出かけるのにバッグを無くしたひにゃあどうするんだろう、改札口に向かってなにか落ちていないかと探しながら歩いた。窓口ではない切符の自動券売機が並んでいる前を通ったら何かが見えた。スカーフがのっかっているトートバッグが倒れて落ちている。左側は背広姿の男の人、右側は女の子の二人連れだ。その二人連れに声を掛けた。
「これ、あなたのですか」
「違います」
バッグを掴んで自分のキャリーバッグを翻してチケット売り場のコーナーを曲がった。さっきと同じ状態で困ったまんまの子が立っていた。
「これでしょうか」
「ああ、そうです」
「切符売り場に落ちてましたよ」
「ありがとうございました」
バッグを見てうれしそうだった。
さ、私の新幹線は何番線でしょうか。
改札口に向かい私の旅行が始まった。
★『旅支度』②ワイルド系とゴージャス奥様風と個性が出ている旅支度。それぞれの特徴があるので面白いと思い写真を撮ろうとした。写真に興味がないイメルダは
「やだあ、写真撮るの？」
と言いながらポケットから手袋を出してスェードのコートに乗せた。襟元のファーと手袋のファーでゴージャス感がアップした様子を見て大笑いした。
★『喫茶』③途中から乗車してくるイメルダの為に、無理のない席移動をした。3人席が空いたのでそこへ移動し2席取るということ。そこでキャリーバッグと手持ちバッグのコーディネートなどの写真を撮りながら目的地へ近づく。
新幹線から乗り継ぎ4駅、ここの花屋でしきびを買い寺へ行くことが恒例となっている。その花屋の2階が喫茶店になっている。これからK叔父宅へ寄り、寺へ行きお別れのご挨拶などをするために本堂にも上がる予定だ。その為にも軽食を摂りコーヒーで一服する。パンやコーヒーが出て来ない。水だけで30分を過ごし待ち合わせ時間5分前になった。急いで食べ始めたら電話が鳴った。訳を話すと
『ゆっくりでいいよ、待ってるから』
という優しいお言葉が。それに感激した私達は、これから結局2日間お世話になるＫ叔父の白いバンに乗り込んだ。
★『寺訪問』④樒（しきみ）と榊（さかき）の違いとは？仏式のお葬式、やお仏壇、墓地などに供えられることの多い樒と主に神道系で用いられる榊との違いについてお話をしてくれる。寺の花立につい最近来たと思われる黄色い花があった。
檀家として会費を納め本堂へ上がり挨拶をする。しょっちゅうお墓参りに来ていると言うＫ叔父と寺の奥様は顔見知りになっていて、先日は庭の柿を頂いたと聞く。うれしいことだがその奥様はこの寺の人ではなくなるわけでなんとも複雑な思いがする。最初の関わりを推察し檀家が増えてきた様子をお聞きし、母が太鼓のおけいこや寺行事などで長い間心の拠り所であったであろうこと、お世話になったことに御礼をした。
年会費をお渡しし、ご住職ご夫婦が寺を去る記念品としてお曼荼羅と信行要典を頂いた。
★『遠征のホテル』⑤本日、イメルダと。父の法事では違う宿を利用していた。それは母の仕事場であったが今は廃業している。母の法事で使い始めたこの温泉ホテルは清潔でお洒落で風呂も広くてとても気に入っている。
夕食会にK叔父を招待した。親戚の葬式で会うくらいだったが、親戚の葬式で会うくらいだったが、訳あって今年母の家に住むことになっている。母親の6人兄妹で一番下の弟である。
訳あって今年から母が住んでいた家に住むようになっていた。訳あってこの地に越して来たマミの弟であるＫ叔父の息子に空き家だったマミの家を使ってもらうことになった。今日訳あってＫ叔父の家には行けなかったがマミの家へ入ることが出来た。
★『マミ宅』⑥数年前に私たちが手配したリサイクル屋に依頼し、数点の家具、必需品、食器などを残してかなりさっぱりさせていたのだが、タンス3棹、ベッド、食器戸棚、テレビ、鏡台も捨てたようで、今回更にさっぱりとしていて、座卓と仏壇以外全部なくなっていた。押入れの中もすべてさっぱりとしていてむしろここで生活は出来ないのではという状態になっていた。庭の物置も上屋だけになっていた。
ただひとつ居間に暖かそうなこたつセットがありゲーム用だという新しいテレビがあった。甥がここで暮らすということだったが、訳あって今は親と暮らしている。夕食会で酒を飲み運転はしない方がいいということで車をここに置き今晩はＫ叔父がここで寝るために使うことになる。温泉は残念ながら本日満室だった。
★『夕食会』⑦Ｋ叔父を夕食に招待して秋の松茸懐石を頂く。
松茸ホイル蒸し、松茸と金目鯛の土瓶蒸し、松茸とすき焼き、松茸釜飯とくれば日本酒かと思う。グラスでは飲めないことが発覚しコップを頼んだ。志村けんのテレビの中の様に手が震えて箸もスプーンも苦労している。毎日飲んでいるのでアル中だという。娘の旦那さんがあちこちお食事に連れて行ってくれるのだが苦痛なんだそうだ。少し飲むと落ち着いてきた。数年後に免許書き替えがあるが心配だと言う。運転技術かと思ったらそうではなくて、震えて自分の名前や住所を書くことが出来ないと言い免許はもらえるんだろうかということだった。
食事後ラウンジに移動してコーヒーを頂きながら訳ありを聞く。Ｋ叔父の家族を招待してお話を聞きたかったのだが、年老いた犬の世話で奥さんは来られないが甥はその時の気分で行かないと言ったのに、今日になって行きたかったと言ったそうでむしろ甥に会うことが目的であった訳なので非常に残念なことではあった。
★『美術館』⑧昨日は駅からマミの家へ寺へ温泉ホテルへと車移動をお願いし非常に有難かった。翌日の観光も連れて行ってくれると言うがそうそう甘えられないとお断りをしていた。
昨日一日お世話になったので今日の送迎はお断りしていたが、朝電話が来てどこへでも送ると言う。それではと昨日駅の広告で見かけていた『クレマチスの丘』の探検に行くことにした。白いバンに乗り込み『ヴァンジ彫刻庭園美術館』へ。道に迷いながらクレマチスガーデンに到着。ここは1年を通してさまざまな品種のクレマチスを楽しめるようになっているそうだ。小雨が降りだしていたが、広大な庭に彫刻があり花も池も美しい。又美術館もスペースが広く取ってあり作品もひとつひとつ興味深いものばかりだった。心躍る花屋もミュージアムショップもステキな空間だった。
★『鯛茶漬け』⑨ランチは敷地内にある和食レストランをチョイスした。
アメリカンスピリットの愛飲者であるＫ叔父がネギをばらまいた。鯛茶漬けの薬味を乗せようとして箸がふるえてばらまかれたアサツキをみた。急に降ったネギに驚いたが訳を知って大笑いした。
いい食器も展示されていてその食器が使われているとみられる。その小皿を盆に置く時もがくがくとして瀬戸物を壊しそうな勢いだ。叔父とはいえ年も近いので遠慮がない。笑ってはいけない場面だが逆に「動画とりたいよう」と言う私。いろんなものをふるえて食べる動画が欲しい。納豆とかとろろとか。それはかゆい。その後家に帰ってからも思い出し笑いをしている。
★『えきねっと』⑩えきねっとで予約出来ました。安心して駅へ向かいます。切符
時刻表 スマホで予約 いつも帰りまで充電がもたない。今回のパターンでも改札口横でクレジットカードとサインが必要だ（その後、自動券売機にクレジットカードを入れると予約が読めることがわかった）。
帰りは新幹線を降りてから数分の乗り換えをこなしチケットなして乗り込みました（新宿からｓｕｉｃａで乗り特急車内で特急券を買い、降車駅でｓｕｉｃａで出た）。徐々に勉強している。
タクシーの運転手さんが高価そうなトランクだと褒めてくれ、到着後玄関先まで運んでくれました。
お土産は、化粧水美容液乳液保湿クリーム化粧下地のオールインワンというspa water gel＆炭洗顔、そしてマミお勧めの『イノシシ最中』！！！
ブログには画像があるよ！！！
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