ラス　 ブルハス（魔女たち）

コーヒーとお茶で6時間。

ハイ、シンデレラ。

イザベラ先生の無茶振りで、変な出し物を披露したもんだ。

『ジョーゼットのスカートを持って行きます。コルドベスを待ってきて』

『フラメンコシューズも』

『黒いTシャツとスパッツを』

というメールが次々送られてくる。迎えの車に乗る寸前に又来た。

『大きめのイヤリングを』

Hの分も持って乗り込む。

イザベラ先生が来るとカラオケの会がはっちゃける、とはいうものの。

名前は『ラス ブルハス』（魔女たち）だそう。

何をするつもりやら。

オーナーUに取り敢えず出は暗くしてという注文をしていた。

ここ、『カラオケMo』をネットで探し当てた人から今から行きたいと電話がきた。

今日はここの定休日で集まっている特別の集会なのだが、快く受け入れられ、ふたりが到着した。作詞作曲と歌が本人という曲がカラオケの画面に映し出されている。それを本人が歌っている。今日飛び入りしたのは本物の歌手だというKJでした。

『先生』と呼ばれている人は尺八やピアニカを持参してくるオカリナの先生だ。一昨日のコンサートが台風で流れたと言いながら今日は生徒を連れてきた。彼女はカラオケ曲に合わせてオカリナを吹いている。そしてリベンジコンサートは来年になるとか。

保険の勧誘員のFさんはソフトな声で歌う。そのお友達は新しい歌をうたう。Jさんは『今年の紅白決定ですね』と思わず言ってしまうほど歌がうまい。今日急遽結成された『ラス ブルハス』はフラメンコの先生と生徒ふたり。それぞれ歌が好きということで毎月集まり始めた。

ここのカラオケはUのママが経営している。そしてその人は歌手だ。IFやKファミリーとの写真もあり先日はここで70名の客席を作り紅白歌手IFのコンサートも開かれたそう。

魔女たちが隣の部屋で着がえをした。

最初の動作だけを軽い打ち合わせで決めて、あとは自由に踊れという指令が出ただけで出番が来る。

『劇団四季を落ちた人達による出し物があります。』

という紹介で私たちは舞台へのドアを開けます。

コルドベスで顔を隠しミラーボールが回る暗いステージに向かう。

↑コレ300円です。