スマホの効用（40周年記念）

『この人だれそれに似ているね』

『そうかあ』

『そうじゃん！』

『この人だれそれに似ているね』

『そうかあ』

『そうじゃん！』

『全然思わない、いつもだれそれに似ているっていうけどまるっきり似ていない』

寡黙な人のはずなのにそんな意見を述べ、拒否する言葉がきつくなってきていた。これは愛だなと思う。私の意見に反対することで、否定することで、私を嫌いって言っているんだなと思い始め、少し怒ってあきらめてもいた、この頃。

そんな折、スマホに似ている二人の名前を入れてみた。

『このふたりは劇似。そっくりだ』

と出てきた。私ひとりの勘違いではなく大多数の人の意見なのだ。又はそう思う人がいるという証拠なのだ。

大きい声で読み上げる。

『ほぉ〜』

認めざるをえないだろう。えっへん！

ざまあごらんあそべ！！

『この人だれそれに似ているね』

『そうかあ』

『そうだからー』

と携帯を取り出し、近頃だと鈴木ななと美奈子、松本くらぶと堂本剛、フィギュアの長洲未来と倖田來未などと名前を打ち込む。スマホが助けてくれることを発見した。

世界陸上でどこかの選手が、かの＜ななおポーズ＞をした。

『今、選手がこうやったでしょ』

『？？？』

その言葉を聞いたこともないという。椅子から立ち上がりあのポーズを説明する。

『？？？』

早速スマホに入れたら画像まであった。

ので、見せてやった。

ふむ（鼻息）！

結婚４０周年記念エッセイとしてアップ！