三つの心臓

『ラブ・トライアングル 秘密』にはまっています。

姉シルヴィと妹ソフィーという仲がいい姉妹がいる。運命のいたずらで妹ソフィーと結婚してしまった彼マルク。それが判明して、それぞれが知るまでのドキドキ感、知ってからの絶望感。男性と姉妹の関係を描いた大人のラブストーリーです。

その女優さんが気になります。長い髪を無造作におろし細いジーンズをはいてシンプルなコートを羽織っている、この中性的な女優さんに惹かれます。エンドロールを見てゲンズブールという名前に聞き覚えがありました。『ゲンズブールってだれだっけ』とつぶやいたら『アズナブールなら知っているけどゲンズブールは知らないな』などと言う。記憶違いかと一度は納得しかかったが携帯を繰ってみた。

『カトマンズの恋人』のジェーンバーキンの相手がゲンズブールと出てきた。

『ロミオとジュリエット』『イージーライダー』『さらば夏の日』『ガラスの部屋』などを観ていた頃『カトマンズの恋人』にあこがれていつかカトマンズに行きたいと思っていたことを思い出した。『卒業』『甘い告白』『バングラデシュのコンサート』などを映画館で観ていた頃です。そしてジェーンバーキンとゲンズブールが結婚して生まれた子供がシルヴィ役のシャーロットということが判明した。ＤＮＡを理解した。

ジェーンバーキンはその容姿とともに歌でも記憶に残っています。ささやくような声でフランス語の歌、同じメロディをアクアボンと繰り返すというものです。エルメスのバッグの名前にバーキンというのがありますが、このジェーンバーキンからとったものです。つい最近ワニやトカゲなどの皮を使ったバーキンがあることに反対してこの名前を使わないでという訴訟を起こしたりもしていましたっけ。

姉妹の母親役が、かのカトリーヌドヌーブなのですが、妹役ソフィーが本当の娘だという。父親はマルチェロ・マストロヤンニ、母親はカトリーヌ・ドヌーヴ、その娘がソフィー役のキアラ・マストロヤンニ。近頃日本の芸能界でもそうだが外国の映画の世界でも二世時代に入っているらしい。

心臓発作を起こし意識を失うマルク、落とした携帯電話の中でその名前を呼ぶシャーロットの声を聴いてすべてを悟るソフィー。この夏からすでに五〜六回も見ています。恋の始まりの様子、見ないようにしていながら見てしまう視線の交錯具合が気に入り昨日も寝る前に。
そして今も。