マトリョーシカ

人生というものにとって、誕生、入学、卒業、結婚、就職は大きい。自分のはもちろん、そのまた子供の分もある。子供にとって大きいことは、お誕生日、クリスマス、そして自転車に乗ることが出来た日。努力して勝ち取る事が出来た日。ちょっとオーバーかしら。その喜びを分かち合いたい。国立の一橋大学での練習風景です。それぞれの昔を思い出してみて。

　　○○がのれた日　　　

　１０月５日（日）、おかあさんといもうとと私で大学へ行きました。いもうとのほじょなし自転車の、れんしゅうのためです。大学へ行くとき、いもうとの友だちの人にあいました。その子は、

「自転車なんか２回れんしゅうしただけでのれたよ。」

と言いました。いもうとも２回目でした。

大学へついてわたしはたくさんのりました。いもうとはまだおかあさんにささえてもらっています。れんしゅうの仕方は、１回目おとうさんからとっくんしてもらって少しはのれたから、そのやり方でさいしょにやりました。おかあさんがおさえて、いもうとがのっています。私はのってみていろいろおしえました。

長い間やっていておかあさんが手をはなしてものっていましたけれどいもうとはきがついていません。私にわかりやすくしようとして、手を大きくふりました。わたしはわらってしまいました。こんどは、手をたたきました。わたしはますますわらってしまいました。それでも気がつかないのでわたしは

「うまいうまい、そのちょうし。」

といったらおかあさんが手をはなしているのに気がつきこけそうになりました。

今度は１人でのりました。でもスタートができないのでわたしがおしえました。家へ帰るときは、ビュンビュン走りました。家へ行ったら作文を書いていました。○○が（いもうと）自転車に乗ってる絵に、ことばはいもうとが書いたようにすると、

『○○がきょうじてんしゃおれんしゅうした。だいがくのじゅうすで○○ほじょなしできたでかんぱいした。あつこちゃん（ともだち）のおばちゃんのおかげ、パパとママとおねえちゃんのおかげ』

と書いていました。かん字もないしことばもまちがっているのでおかあさんは、
「わーかわいい、これとっておきましょう。」
といってかけいぼにはさみました。とてもおもしろい１日でした。

　せんせいよりのことば　とてもすてきな日記です。おかあさんも○○ちゃんも○○ちゃんもみんなのよろこびがつたわってきました。新しいことができるってほんとうにうれしいことですね。

次から次に小さな人形が出てくるマトリョーシカ。縁結び、安産、開運の祈願として古くから愛されてきたロシアのマスコット人形。日本でいうと入れ子、開けても開けても出てくるっていう形式。お姉ちゃんが書いた妹の作文、それを紹介するママ。まるでこれって、マトリョーシカ？

おまけ　　　　　　６月１日　　題　じてん車（お姉ちゃんの作文より）

　おとうさんと、じてん車のれんしゅうにいきました。おとうさんが、私のじてんしゃを１回目にはなした時は、下に足をおいてて、２回目の時はのれました。私は、
「よかった」
って言ったら、おとうさんが
「どうろでのっていいよ。」
と言ったからのったらうちからおかあさんがでてきて
「もうのれたの？今いこうとしたのに」
といった。私は心の中でよかったなと思っていました。

せんせいよりのことば　のれるときはあっというまにのれるんですね。気を付けてのってね。

ふろく(妹の日記より)

　きのうおねえちゃんがおともだちのうちにいった。おうちのまえにおいといたら、じてんしゃがなくなってた。あるいてかえってきてなんかちょうだいっていったらままが、「さがしてらっしゃい」っていっておねえちゃんおこっていた。そしたらえきのまえにあった。おねえちゃんわらってかえってきた。おねえちゃんきっとよかったとおもってるだろうなあ。

　そして今、バイクに乗っている２人。

車の免許があるので、おねえちゃんもバイクを借りることがあります。反対を押し切りバイクの免許を取り、親に半額出させ、購入したヤマハビーノで、駅でいうと８駅も先のピアノの先生宅や、実習の幼稚園へ走る妹。３月に購入し、１ヶ月で３１４�q走破した。

そして７月には、８００�q走行して事故る。肘、膝、首、肩を打って、土田整形外科へ。レントゲン結果はＯＫだけど、かなりひどいうちみ、すりきずがあった。その後、２回ほど罰金騒動があり、免停の前段階のお知らせが来る。気を付けて運転して下さいというもの。秘密にしていたけど、ばれる。そのばれ方が笑えるんだけど、おまわりさんが、車検証を返し忘れたと訪ねてくるというもの。笑っちゃいられない、心配は尽きないが、その実行力には感心する。

　実は私、１０代の頃、オートバイに憧れた。

ナナハンは無理としても、２５０ｃｃか、１５０ｃｃでもと本を買い、わくわくしながら勉強し、勇気を出して目黒の教習場へ行った。そこでは二輪はやっていないということで、鮫州へと言われる。電車を乗り継ぎそこまでたどりついたのに、そこでも教えてはもらえなかった。どんな理由だったか、昔のことは良く覚えている私もすっかり忘れてしまっている。時期的なものか、曜日的なものだったであろうが、学生だった私は、断念せざるをえなかった。

　同じものに興味を持った子供達。血は争えないと言うことか。
　まるでこれって、人生もマトリョーシカ？

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