　渋谷東急文化会館にあるパンテオンという映画館へよく行きました。
　その上のプラネタリウムへも何度も行きました。
　名画座という100円で見られる場所もありよく通いました。　
　その東急文化会館が平成１５年６月30日で閉館になるというニュースを見ました。
　感慨に浸る私が少しうれしかったのは、パンテオンで最後に上映された映画がなんと
　「サウンドオブミュージック」だったということでした。

　『さて宿に戻り広いお風呂に入りました。その時は私達ふたりだけでした。脱衣所からお風呂場をのぞき窓が少し開いていたのに気付いて閉めました。そして入って湯につかり、そこでさっき閉めた窓が又開いているのを発見しました。「こわーい」と言いながら勿論閉めました。そして窓を見張りながらひとりづつ体や髪を洗ったりしました。
　少ししたら脱衣所の外から誰かが話しかけています。男が何か言っています。あんた聞いてらっしゃい」と湯に浸かったままで長女の私は妹に命令しました。工具かなんかが脱衣所においてなかったか、ということで、「戸を開けてくれ」と言っています。どうしようかと迷ったけれど宿の人が困っていてはと思い妹はさっと開けてお風呂に逃げ帰って来ました。翌日、旅館の人と話している時に、昨日の事を言ったら「それは申し訳なかった。こわかったでしょう。宿泊代は結構です」となったのでした。ラッキー！』

　こんな文を「サウンドオブミュージック」という題名でＫＥＣ14号に書きました。そして妹に送りました。妹は懐かしいと言いながらも「痴漢の話はこんなもんじゃなく、もっと怖い背筋がぞぞっとするほどの話だったんだよ。覚えていないの？」と言いました。宿泊代がただになってラッキー！な話じゃないと言われてしまいました。

　記憶力には断然自信があったのだけれど、このごろ妹に覚えてないのと何度か言われて私の自信はかなり揺らいできているのです。
　北海道旅行の話をハタチの私から細かく聞いていた妹は近頃北海道へ行きここかあ、そういえばあの時聞いていたなあと思うそうで、お土産の十字架ひとつにまで、迷ってこっちにしたとか、迷って買わないで心残りだったとかそんなことまで覚えているそう。
　そうだった？そうだよ、こうも言ったよ。そうだっけ？そうだよ、と。

　あの日の真相はというと・・　お風呂で話しかけられた言葉も「一緒にはいっていいかな」とかも言われたとか。「急いで出ますからちょっと待ってください」と言ったとか。お風呂から上がったところで宿のおかみさんに出会い「いいお風呂でしたか？」「ええ、でも今こうでした」と話したら、顔色が変わるほど「ええっ」と驚き、　声を潜めて「ちょっとこっちへ来て話を聞かせてください」と言い、長いすに座って私たちは説明したそう。

　その宿は女だけで運営していて男の従業員はいないそう。用心棒として隣の部屋に寝るから安心して何かあったらすぐ声をかけてと言ったそう。私はぜんぜん覚えていません。長椅子で話したという場面だけです。

　そして旅館の造りも廊下からふすまだか障子だかしか間仕切りがないこと、鍵も掛からない部屋だったそうで、かなり怖かったんだそう。おかみさんが私たちの隣の部屋に寝ているのだから少しはこころ強いとはいうものの・・。

　そして用心棒として隣の部屋に寝ているおかみさんのいびきがきこえたのはそれからすぐだったそう。意味ないじゃーん！！（またかるく終わっちゃったかな。反省。）　以上