ウサギの話

むかし、人とうさぎは月で暮らしていました。

月にあるお城で、人とうさぎは仲良く、幸せに暮らしていました。

ある日のことです。

月が地球に降りて行きました。

ゆっくりと、ゆっくりと地上に近づいて行きます。

もう手を伸ばせば地上はすぐそこでした。

人とうさぎは顔を見合わせると、にっこり微笑んで、地上に降りてみました。

いつもは遠い空の中にしかなかった地球に降りてみました。

初めて見る地上は月とは全然違いました。

月にはお城があっただけです。

でも、地上には花が咲いています。お日様が明るく空を照らしています。

鳥が鳴いています。地上は様々な色で溢れていました。

人とうさぎは楽しくて、楽しくて時間を忘れて一緒に遊びました。

そして、気が付くと、月はするすると昇っていってしまったのです。

もう手を伸ばしても月には届きません。

人とうさぎはひどく悲しみました。

どんなに地上が楽しくても、自分たちが帰るのはやはり、月だったのです。

人は地上で暮らすことを決めました。

うさぎは泣きました。うさぎの体はやがて自分の涙の色で碧くなりました。

時が流れ、人はむかし自分たちが月から降りてきたことを忘れてしまいました。

うさぎのことも忘れてしまいました。

でも、碧いうさぎは今でも覚えています。

そして、ずっと待っています。人が抱きしめてくれるのを。（星の金貨）


「『碧いうさぎ』をよく歌ってた」
「そう、手話もしながらね」

花束をふたつ持ってきて「ひとつはママに」などと言う。
１９年が明けて、今日、お友達が集まりました。


♪あとどれくらい　切なくなれば
　　あなたの声が　聴こえるかしら

　　なにげない言葉を瞳合わせて　ただ静かに
　　交わせるだけでいい　他にはなんにもいらない

　　碧(ｱｵ)いうさぎ　ずっと待ってる　独りきりで震えながら
　　淋しすぎて　死んでしまうわ　早く暖めて欲しい

　　あとどれくらい　傷ついたなら
　　あなたに辿(ﾀﾄﾞ)りつけるのかしら


♪洗いたてのシャツの匂いに　抱きすくめられたら
　　痛みも苦しみも　すべてが流れて消えるわ

　　碧いうさぎ　鳴いているのよ
　　そう　あなたに聴こえるように
　　たとえずっと届かなくても　永遠に愛しているわ

　　碧いうさぎ　宇宙(ｿﾗ)を翔けてく　心照らす光放ち
　　愛の花に夢を振りまき　明日へと　Ah…

　　碧いうさぎ　祈り続ける　どこかに居るあなたのため
　　今の二人　救えるものは　きっと真実だけだから

碧いうさぎ（『碧いうさぎ』手話）You Tube（ユーチューブ）無料動画

　　　　　　　（『碧いうさぎ』歌詞）