シムテム・ド・パル（食生活）

「塩で・・がいいね」
と聞きやる気がおきた。塩・・ウチに待機している塩が頭に浮かんだ。こんなのは使わないでしょうと母のところからもらってきたおしゃれな塩セットだ。死海のもの、ポルトガルのアヴェイロ。そしてボリビアのアンデス、メキシコのゲレロネグロなどは結晶になっていてミルで挽いて使うのだ。

「今日はお仕事お休みですか」
買い物に行くのがいやな私が数週間も悩んでようやく観念しクリーニング屋に行った。そこでズボンを受け取りカメラのフィルムを出した帰り、帰り道にある肉屋に寄りました。その肉屋は薬局のおなじみ患者です。

「備長炭を用意していると言って焼いていないのを持っていき自宅で焼き鳥を焼く人もいますよ」
それでは・・・と、焼き鳥も焼いてないのを十五本。これは初めての挑戦だ。煙が出て大変なことになるかもしれないが・・・。

「塩で、もいいけど、でもレバーはたれの方がおいしいねえ。焼きながらがつけるのがいいけれど、やきあがってからでもいいね。よしこれをあげちゃお」
と言って秘伝のたれとやらをカメから瓶に詰めて分けてくれました。

「コロッケ揚げてないのを十個下さい」
私は揚げてないコロッケに細工をしてあたかも自分が作ったように見せかけるのが得意だ。小さなボール型に丸めてあらたにパン粉をつけ揚げたら、それは素晴らしいご馳走に見えるのです。

「牛肉荒挽きフランクフルト大袋もひとつ。ポテサラも３００グラム。トリモモも２枚下さい。あと・・・」
夫の買い物は、魚のアラ、生々しいかつおさし、豆腐、値段のたかいおいしい食パン、自分用飴など夫はほとんど毎日会社の帰りに買い物をして帰ってくる。.長女もほとんど毎日ビニール袋を手に帰ってくる。長女は高いもの、いくら、ウニ、生ハム、チーズなどだ。その日、夫がオリーブとバジルウインナーを一袋、長女がガーリックスパイスとバジルなどを３袋と買ってきて、ウチには今５袋のウインナーがあります。

家に帰り、まず換気扇を「強」にして、魚焼き網をがんがんに熱して、一気に焼きます。煙は心配したほど出ません。たれも焼く前に漬けておき、焼いたあとあたらしいたれをかける、としました。あつあつで食べられるので大成功かと思われます。

去年エスマートが９９ショップに変わった『KEC』「スペルメルカード」。ウチには今５袋のウインナーがあるものの、あれから家の食事内容は一変していた。ひたすら貧しく・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





約一年後、このごろ冷蔵庫が充実している。その訳は・・・・・・・・・・・・・・・・・パルシステム。
買い物がきらいな私は材料お届けシステムを利用しようと考える。「夕食材料宅配サービスヨシケイ」でないだけよしとして「生協パルシステム」は開始した。毎週木曜日元気なおにいさんが汗びっしょりで冷凍物、冷蔵物、乾物、雑貨などと仕分けされた荷物と次回のカタログを玄関に置き、注文書を持って行く。

９９ショップのものは蝋細工のようだと言って食べない長女がパルのものにうなづき始めた。肉があまり好きでない私がシャブした肉をがばがば食うサマは当の本人も驚くほど。新鮮な野菜もたくさんあるのでどんどん使う。
果物もよい。パンもいろいろな種類のものとレーズン入り食パンもうまい。餃子しゅうまいなどの焼くだけものから、ニラ、レバーのセットや中華丼の具などの半製品も利用する。私の夜食ははるさめスープ。ナッツもドライフルーツもグッド。漬け物やお茶も毎週買う。糠みそにも手を出した。味がよく毎回うれしい。きゅうりナスの注文は毎週かかせない。

おまけに雑貨にも手を出す。靴下１０足セット、線香、ラップ大小、ティッシュ、トイレットペーパー、フローリングケアクリーナー、半透明ゴミ袋１００枚入り、洗顔時のヘアーキャップ、戸棚の中の整理箱５個組み、いらないものまでどんどん注文する。「魔女のレストラン」「金縛りレストラン」という本、柚子入りリップクリームなども衝動買いする。買い物がきらいと言っていた私は買い物に行けない身にもなり、一年前に激減した万年変動なし体重が、ここへきて７キロも増えた（いいことかわるいことか理解不能？）。禁煙も効いているんだろうけど・・パルのおかげもありそう（結局いいこと？）。

パルシステム入会から３ヶ月経ち、先週からはパソコン注文をするようにもなり、食生活が軌道に乗った。