ステールメイト （ｉｎ 東京ドーム）
ルークは「戦車」です。
古代の戦車、車輪の付いた塔の形をしています。将棋でいう「飛車」にあたります。ルークは縦方向と横方向に何マスでも進むことが出来ます。
ビショップは「僧侶」です。
僧侶の帽子の形をしています。ビショップはナナメ方向に何マスでも進むことが出来ます。将棋でいう「角」にあたります。
そしてルークとビショップの動きを合わせ持つ最強の駒クイーン「女王」はどうか。女王の冠の形をしているクイーンは縦方向、横方向、ナナメ方向に何マスでも進むことが出来ます。でも・・・。その人との位置関係はルークでもなく、ビショップでもない。むろんクイーンでもない訳で・・・。
★『５年ぶりのシャム』に続き、ルナシーの『７年ぶりコンサート』も行く。一日限りの復活ライブに行く。
＜９０年代に人気を集めたロックバンド「ＬＵＮＡ ＳＥＡ（ルナシー）」が７年ぶりに再結成。１２月２４日に東京ドームで一夜限りのコンサートを行う。人気絶頂期に「終幕」と題して約１１年間の活動を終えてから７年。河村隆一（３７）は「ＲＹＵＩＣＨＩ」の名に戻り、ＳＵＧＩＺＯ（非公表）、ＩＮＯＲＡＮ（３６）、Ｊ（３７）、真矢（３７）のオリジナルメンバー５人がステージにそろう。会場は００年１２月２６、２７日にラストコンサートを開催した東京ドーム。「ＧＯＤ ＢＬＥＳＳ ＹＯＵ〜Ｏｎｅ Ｎｉｇｈｔ Ｄｅｊａｖｕ〜」と題して、思い出の地に約５万人を集客する予定だ。「Ｄｅｊａｖｕ」は９２年のメジャーデビューアルバム「ＩＭＡＧＥ」に収録にされた思い出深い作品の曲名でもあり、文字通り“いつか、どこかで見たような光景”を再現する＞
5万5千人が入るという会場へ行き、クリスマスイルミネーションがきれいな通路を歩きドームの中に入った。席にたどり着いてコートを脱いでいる時長女が言う。
「心臓は大丈夫？驚かないでよ、ヒデキがいる」
ナイトは「騎士」です。騎士が乗る馬の形をしています。ナイトは将棋の桂馬の動きに似ています。しかし、その動きは桂馬よりも激しく、前後左右に桂馬の動きが出来ます。
キングは「王様」です。王様の冠の形をしています。将棋でいう「王将」にあたります。キングは最も大切な駒。あなたの分身と思ってください。キングは縦方向、横方向、ナナメ方向に１マス進むことが出来ます。
それでもその人との場所はすべての駒が働かないという場所。相関関係はないという、近くて遠い場所。それは東京ドームの座席の話です。前の前の列にいる人と私の席のことです。チェスならポンポンと行って『チェックメイト』といきたいところです。いったところでどうするってはなしですがね。
注 ヒデキとは『シャムシェイド』のボーカルであり、まりあのいちおしの人であることはいうまでもない！！
前々列にいたシャムシェイドのヒデキ、左前方にシャムシェイドのダイタ、左後ろにシャムシェイドのナッチン、二階にガクト、前にデランジェ？ディルアングレイ？そうジャンヌダルク！ここは特別席エリアなので、声を掛けたり、握手だーサインだーとそういうことはご法度なのだと長女が言う。御法度とは言わなかったけれど、そう、暗黙の了解よなどと言う。
前回シャムシェイドの時に武道館で初めてあったＳさんと、今日水道橋の駅で紹介されたお友達もいるし、若者３人に母親としてはしたない姿は見せられない。余談ではあるがこのとき横に並んだ４人全員の洋服が、もちろん私も含めてすべて紫と黒だったことは奇遇としか言いようがない。セーター、キャミソール、スカート、パンツ、コート、ま、グレーもはいるものの見事なカラーコーディネート？だった。それはさておき・・・。
ルナシーの演奏が始まりシンヤのドラムが響き渡った。ＳＵＧＩＺＯのヴァイオリンもよい。Ｊも大人になった。ＩＮＯＲＡＮＮは相変わらずハンサムでシャイだ。そしてやっぱりリュウはス・テ・キ。ナルシスト風味がおかしくもありつつ、いつしかやられる。しばらくヒデキを忘れていた。もったいないもったいない。
ヒデキが席を離れた。トイレにでも行くのかも。それを追いかけるようなまねをしてはいけないと自制する。私が行ってそのあとでヒデキが来て廊下で偶然出会うのならそりゃあいいんだが。戻ってきた。又行った。戻ってきた。
「途中でヒデキのこと忘れていた」
と長女に言ったら
「もう日常？」
などと言われて笑う。ウェーブが来て立ち上がる。クリスマスイブなのでアンコールには自然ときよしこのよるが歌われる。女の子たちのきれいな声が会場を満たす。伝説のコンサート『真冬の野外』を思い出す。
ポーンは「兵隊」です。
将棋でいう「歩」にあたります。最も弱い駒ですが、大きな力を秘めています。ポーンは移動する動きと、相手の駒を取る動きが違います。ほんの少しややこしいので、別々に紹介しましょう。
ポーンは最初の位置からの移動のみ、２マス進むこともできます。しかし、あわてて進んだからでしょうか。実は１マス目に残像を置き去りにしてしまうのです。この残像。なんと、相手のポーンにだけ見つかってしまうのです。残像を取られてしまうと・・・本体も消えてしまうのです。これを『アンパサン』といいます。
残像は、ポーンが２マス進んだ直後にだけ現れます。相手の次の１手が終われば、残像は消えます。『アンパサン』が起こるのは、残像が残っているあいだだけです。ポーン以外の駒は、たとえ残像がいるマスに移動しても、残像を取ることはできません。残像って・・・・・・。実はコンサートが始まる前開演時間から５０分もの時間があった。
「やっぱちょっと行ってくる」
前の前の席にヒデキがいるのにご挨拶ぐらいしてもいいじゃないかと思った。まだ前の列に一人も座っていない状態だし、軽い気持ちで行けばいいじゃんと思った。その時手を鳥のようにパタパタしていたかもしれない。そんな気分だっただけかもしれないけど。右から前の列に降りて左まで行き一つ下の席のはじっこにいるヒデキにさわった。「シャッ」。
ヒデキのフード付きコートのナイロンをかすった。そでの部分が「シャッ」と鳴った。その時知り合いを見つけ立ったり座ったりして遠くから話していたヒデキが左の通路に出ないで右へ行ってしまった。右前方の知り合いのところへ行ってしまった。気配を察して逃げられたか、私を避けたかなどとも思い、気勢をそがれて二度と近づけなくなった。
チェックされていないのに動かせる駒がないことを『ステールメイト』といいます。ステールメイトになれば、引き分けです。ゲームはそこで終わります。その他の引き分けは
お互いがチェックメイトできる戦力を失ったとき、 どちらかが引き分けを提案して、相手がそれを受け入れたとき、 ５０手の間、駒の取り合いが起こらなかったとき、 ３回、盤上が同じ形になったときというのも引き分けになるとか。もちろん相手を『チェックメイト』、又は相手が降参したときは、あなたの勝ちです。
＜今日俺をドームで見かけたら、声かけて下さい。シカトしま〜〜〜す（笑）。＞
声かけて下さいってブログで言っている。ドームで見かけたら、声かけて下さいって。シカトしま〜〜〜すってはずかしがってはいるけれど。（笑）っているし。これは声かけてってことであって・・・。うぅ・・・悔やまれる。もう二度とあのシチュエーションにはめぐりあえないし、今度会うときの私は絶対今回より年取ってるわけだし・・。24日の翌日アップしてあるし、それを見たのも数日後。
「こういうことはもっと早くにアップしろって！！」
パソコンの中のヒデキを叱るまりあでありました。
「ああ、もったいない」などと書いてみましたがやっぱりトシくった今でも、柱ひとつ大回りしてしてしまう
と思うのです。所詮、プライドが高く自分に自信がない小心者！？（そんなエッセイが・・・あります）