�A東京にて

春、花見の季節を過ごし、経過観察の病院へ行くついでに、他の科も受診し、目も大丈夫、耳鼻科も大丈夫と言われ、痩せてしまい入れ歯が合わなくなったので歯科へ少し通った。美容院へは二回行き、贔屓の女の子にシャンプー肩たたきをしてもらった。毎日の散歩の時には杖も忘れるほど足も丈夫で、お弁当屋さんとの交流もあり、自分で朝食のお粥を作り、洗いものもしてくれて、洗濯物を干したり取り込んだりたたんだりしてくれて５か月半が経過した。

夏、お中元を頂き、マミが自筆でお返事を書きました。緊張したからと言って手の甲に汗をかいていました。

＜Ｋこちゃんりっぱなもゝをありがとうございました。Ｉ島さんにはいつも一方ならぬお世話になり、いつも感謝して居ります。私はお医者に通いながらなんとか過ごして居ります。皆様、お元気でお暮らし下さい。ありがとうございました。平成二十一年八月四日　Ｈ江＞

＜ＳＦさんより　Ｈ江お姉さま、お風邪の具合はいかがですか？ステキな絵葉書有難うございました。Ｍが「この絵好き、この絵を書く人の本を持っている」と言って見つめていました。こちらは皆元気です。「おばさん入院してかわいそうだ」と泣いていた息子が４年近く付き合いしているＩＫさん２５才と七夕に婚姻届を出しました。来春出産予定日との事です。驚かせてごめんね。私もビックリしてやせました。Ｉ様のもとで、Ｈさんや皆さん、そしてＹ子さんたちに甘えて下さいね。御自愛下さいませ。Ｈ21.7.14＞

忘れて散歩に出てしまうほどだった杖は必須になり、数ヶ月後に部屋用の４点杖を購入し、それがなくては歩けないほどになる。そして家事はすべてできなくなった。食事を終えるとすぐベッドへ行くようになる。数日の間に食事が摂れなくなり果物だけとなり、水も飲めなり氷を口に含むだけになる。ホスピスへの電話で「10月末まで予約がいっぱい」と言われたが、症状を聞いてくれて外来面会が決まった。自宅療養について「さりげなく限界です」と訴えた言葉が効いたのか、病院から勧められていたホスピスへ翌々日の入院が決まった。マミが入院して数日後、前日病院へ泊まったので我が家に仮眠に帰った妹からの手紙が冷蔵庫に貼ってあった。妹は何かを認め覚悟をしているようだった。私もその考えに追いつかなければならないと思った。

＜Ｉ坂様 Ｈ美ちゃんへ　3月に静岡医療センターを退院して以来、こちらの家でお世話をしていただきました。マミとのなれない介護生活には、御不便やご迷惑を多々おかけしたと思いますが、良く頑張って下さいました。感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。本日、念願のホスピス入院をして、マミの安らかな最期は目前となりました。あと、もう少し皆で協力して、マミを見守っていきましょう。Ｙ子＞0828

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