ミー（交流）

「Ｓ君達が持ってきてくれたスイトピーとガーベラの花束を持って行こうと思って・・・。」
「それは有意義だね」
とパパが言う。

今日はナビの推奨ルートを採用した。
走りやすい大きい道でしかも２時間で着いた。


猫がいた。

車の下に来た。

墓の裏側に。

ガラス瓶の横に。

だんだん近づいてくる。

とうとうおにぎりを手から食べた。

Mは墓へ来た事はない。なぜならMのために作られたものなのだから。Mの見た景色を捜したという　Ｙ　には伊豆なら海老名インター、茨城なら守屋サービスエリアをお勧めしたい。ここの景色を眺めここでフランクフルトやアイスクリームを食べたのだから。

ガラス瓶の整理をした。新しいガラス瓶を持って行き、満タンの方は茨城の家のガーデンセットのテーブルに置いた。新たに「熱さまシート」を入れた薬セットは残した。ホカロンも手袋もスカーフもそして今年入れたと思われるものも残した。



スイトピーとガーベラの花束を持って来てくれた子が、次の日アルストロメリアの花束を持ってきてくれたことは、前回、『Ｍチャンネル』「Ｊ−フォン（指輪）」に書いた。その子から「明日は一人で行きます」と電話が来る。Mに手紙を書いたそうだ。私は土曜日午前の薬局の仕事を終えてから支度をする。ウチにあった写真を捜してくれて、前回家で撮った写真も持ってきてくれた。そしてピンクでまとめた大きい花束をと注文を出したというカーネーションの花束を手渡される。

名前は「S君」としよう。S君なのだから・・・。恋愛問題にうとい私達に、報告したり、意見を求めたり、プロポーズの言葉などを質問される。そんなものはないのが普通とか言いながら、昔を思い出し、Mの代わりになんとかいいアドバイスをと必死に答える老夫婦の図。

「これからお家に伺ってもいいですか」
かなり突っ込んだ話もしながら２時間が過ぎた頃、電話が入る。２ヶ月ぶりのEと、通夜、葬式、納骨の日、スペイン料理の店でのパーティなどで何回か会ってはいるが、ウチに来るのは初めてというU、そしてUの彼女。質問は老夫婦から若夫婦予定のふたりへと移っていきほっとする。初対面のグループが今日なごやかに交わった。Sの役目は大きい。


まずＵから報告がある。４月から中学校の先生になる。教科は数学だ。おめでとう！

もうひとつの報告、それはＥが１年ぶりに免許を取ったこと。ごめんなさい！
おととい早速報告に来てくれたのだとも聞く。

Ｄは今日墓に行っていると聞き・・・ありがとう！

夜、Ｓ君の書いてくれた手紙を読んで・・・泣いた。