④９月６日マドリッドからセビージャ
一つ向こうの道の朝食をとるいつものバルへ。甘いパン、フーモデナランハ（オレンジジュース）、カフェコンレチェ（カフェオレ）ポル ファボール（お願いします）。
のんびり散歩してかえった私達はエレベーターの怪に会う。部屋番号が２０３とする。２Ｆを押して部屋を探すがそこに私たちの部屋はナイ。今度は３０４とする。２Ｆを押す。また部屋がナイ。２０３なら３Ｆを、３０４なら４Ｆを押さなきゃいけないことに少ししてから気づいた。薄暗い廊下でキャーと怖がりながら逃げる様子を見せるオリビア、キャーと怖がり待ってよーと私。おいかけっこしながら階段を下りたり上ったりしたものだ。スペインの階の数え方。1階から１フロアーあがる。ゆえにボタンの１Fは2階のこと。１階から２フロアーあがる。ゆえに２Fのボタンは３階ということとなるようだ。
１：００ 予約しておいてくれたＡＶＥ（スペインの新幹線）でセビージャへ向かう。
＜ウシみたいなヒツジみたいなトリみたいな・・・＞
ＡＶＥの入り口に荷物置き場がありスーツケースを置いて座席に行く。スリに気を付ける国なのに、いくつか駅にも止まるのにどういうシステムなんだ。でもそのおかげで座席スッキリ快適な車内。イヤホーンが配られて（持って帰ってしばらくウォークマンに使った）、テレビも見られるの。窓の外はオリーブ畑がずーっと、どこまでも続いている。オリビアの実家と似ている景色だと言っていたっけ。そのオリビアがハタと気づく。
「ねえ、おねえさま。あの山のふもとにテンテンと２０～３０あるものはなんだろう。」
そういえば何カ所かに動かないモノが・・・。ネコみたいなトリみたいなヒツジみたいな・・・と呪文のように声を合わせて繰り返しては笑いころげる。あとでＭｓＴｅｚｕｋａに聞いてみよう。２時間ほどでセビージャに到着。
＜フラメンコ発祥の地セビージャ＞
ここでもオリビアのフラメンコ仲間、美穂さんのお迎えあり。赤いタンクトップを着た元気そうな子だ。彼女はオリビアと同じスタジオに通っていたそうで、私は初対面です。タクシーで美穂さんの留学先のアパートへ。大家さんはしばらくルスということだった。３ＬＤＫってカンジの広さ。ベランダに植木がたくさんあって、煙草コーナーが・・。これ日本へ帰ってきて真っ先に真似したこと。足下には白いウサギがピョンといた。
美穂さんの案内でセビージャの街探検。その前にまず腹ごしらえ。中国料理のお店を選ぶ。まるで日本にいるような感覚だ。美穂さんがスペイン語で店の人と話しているのを除けば。
バスに乗り１５分、街中を走り回る。セビリアオリンピックのテレビ中継で見たあたりを通り美穂さんが説明してくれる。今はセビージャ大学になっている、ビゼーのオペラ、カルメンの主人公が働いていた煙草工場。その向こうにはスペイン広場。そしてまず街が一望できる、スリが横行する地域にあるヒラルダの塔へ。四角く登る緩やかな坂、一角が５メートル位でなんと３４角あるのだ。馬が登るために階段ではないのだとか（いったい何のために登るの？）。地上７０メートルにある展望台に着いたとき、ちょうど鐘が鳴り出した。頭の上で。
そしてセビリア大聖堂へ。コロンブスの墓（これは不気味でオリビア怖がる）で有名な世界遺産のカテドラルということだ。トレドのカテドラルと並びこれ又ゴーカ。隙間なく彫刻と絵が施されていてこれでもかと細かい彫刻が上へ上へと続く。日本人が考えられない造りなのですねえ、これが。ウーン 絵ハガキ購入。そしてここでピルケース購入。しっかりした作りで銀色のステキなもの。みんなのおみやげにね。あとラファエロのトランプカード２個セットも。ＺＡＲＡ（サラ）やＭＡＮＧＯ（マンゴ）という洋服屋のバーゲンを見て回る、安い。子供達に買って帰りたいがこれと決めかね荷物が増えることも考えやめたが、あの価格の円に換算した金額と聞きもう一回その気で捜したかった。
オリビアは美穂さんおすすめのフラメンコショップで、練習用スカート（グレー）とストラップ付き靴（ブラック）を購入。現役はいいな、私は発表会用のスカート２枚もあるし、今はやめているのでうらやましく眺めてた。トレドの人形の件を美穂さんに話したら一番大きなデパートへ連れて行ってくれた。おもちゃ屋を捜したが、それらしいものはあるものの本物のアレはなかった。バスでアパートへ戻り、ウサギと一緒に一服。今夜はタブラオへ連れて行ってくれるという。
美穂さんと一緒に住んでいるやはり日本からの留学生の原田美枝子似のサトミちゃんと４人で夕食の為近所のバルへ。この２人はＯｉｇａ（すみません）をよく使う。すみませんと忙しく働くなじみのおばちゃんに注文するときなど。この旅行で食べたことないモノをと選んでくれて、じゃがいもを揚げたものにタマネギ入りマヨネーズと辛い何かをかけたもの。ハモンセラーノなどのほか闘牛のしっぽを煮た物を食べた（味は・・コンビーフです）。ビーノティントとね。
まだ店はすいていたので日本人４人は目立ったせいか、常連だったからか、お酒（招興酒のようなもの）を“口がながーい急須みたいなものからついで小さいグラスで一気に飲む”をサービスしてくれたお店のマスター。２３時３０分、時間も良さそうなので用事があるというサトミちゃんと別れ３人でタクシーに乗る。
＜ＰＬＡＺＡ ＤＥ ＳＡＮＮＴＣＵＲＵＳ＞
初タブラオ、日比谷野音のような森の中に古い洋館が見えた。少し大人の人たちが外に群がっていて、入れ換え時間を待っている風。ちょっと高級な夜遊び？ロス・ガジョスのタブラオフラメンコ、スペイン最高の出演者達、本物のフラメンコの唄と踊りという代物である。いよいよ中に入り飲み物を注文して踊りを堪能する。夜に弱いオリビアは、眠そうで目がトロトロ、夜に強いマリアは目がランラン。
帰り、運転がチョーランボーなタクシーに乗る。仲間のタクシーと無線で「そっちの車（こっちじゃない）かわいい子乗せてるじゃないかよー」とか、むだ話ししながらスピード運転。カーブもスピードゆるめないで走り抜ける。降りてから「死ぬかと思ったよねえ」と話しながら美穂宅アパートへ。すぐ寝る。