＜２人ともクルクル事件＞
朝食（オレオクッキーとカフェコンレチェ）のあと、スペルメルカド（スーパーマーケット）見学のため歩いていく。するとエウヘウニオパパとバージェがマンションの下にいる。色々案内するのが役目と思っているんだって。昨日も夜遅くまで付き合ってくれたのに・・、私達は旅行者だから寸暇も惜しんで動き回るけど・・そして今考えると良くあんなに歩き回ったもんだと感心している。オリビアも
「ウチの母だったらそんなに歩けないと思う。お姉様頑張ったよ、ほんと」
と言ってくれる。オリビアのお母さんとトシもあまり違わないし、タクシーばっかり使っている怠け者の私も見すかされているのだ。結局ほめられた？そういうことにしておこう。なにせ私は家族公認のプラス思考なのだ。
さてスペルメルカド到着。タイルが床から１メートル位まであってその上になんときれいに飾ってあるフルーツ、魚、ソーセージ、肉、整然と並んでいる（なのに写真取り損なう残念）花も安い。
そしてオリビアとマリアは昨日予約していた美容院へ“オラ”。まず最初に私から。人なつっこいオリビアは、スペイン語も駆使して、その美容師の子供、４歳のイザベルともきゃっきゃ遊んでいる。元気な女の子で、上半身裸になっちゃって美容院の中で遊んでいたっけ。写真も撮って帰国後現像し、写真をエビアンに届けてもらった。パーマの手法としては日本と同じっちゃ同じだし、違うっちゃ違う。一番驚いたのは普通の椅子にすわって背もたれに髪のせて体をズルーッとずらして壁際にあるオカマの椅子に美容師が腰掛けてドライヤーで乾かす（ワカル？）ってことかな。オリビア耳の横からパーマ肩まで。マリア上からぜーんぶ細かいパーマ（おおまけ）、肩よりちょっと下まで。ハイ出来上がり。３，５００ペセタ（３，０００円弱）。安い。エビアンが美容院まで迎えに来てくれて、入り口のところで変身後の写真カシャ。
ところが日本に帰ってから不評のためとか言ってすぐストパーをかけたオリビア（可愛かったのにさ）。生まれて初めてのパーマだったそう。親に知れたら怒られるとか。私はと言えば、
“スペインでかけた大切なパーマなのでなるべく残して５センチカット”
と注文したというのに。日本の美容院のおねえさん、
“よくかかっているけど、縦巻きしたの”
とか、
“何色のカーラーだった？”
と知りたがって。
“普通ので色は多分ピンク”
と答え、
“今度来るとき写真持ってくる”
と約束したもんだ。（写真見たらブルーだったしー）。
スペインには家もあるほどのビビアンだが、こちらで美容院へ行ったことがないそう。出来も日本と変わりないし何より安いでしょ。「今度行ってみようかな」って言ってました。この旅行から一年経っていないけど、イタリア、再度スペイン、トルコと行ってきたビビアン、それぞれの国で美容院制覇か。
＜お好み焼きパーティー＞
パーマかけたての髪で、可愛いとか言われながら（オリビアがね）エウヘウニオ宅でパーティです。お料理をしている私達に、パパは飲み物をサービスしてくれる。外国って感じよねえ。洗ったお皿は前のタナへ、粉をつけて揚げ物をするときの便利な代物、五右衛門風呂のように、四角い木箱の中に粉があって、すのこが埋もれている。魚を入れて粉をまぶして、すのこを上げると余分な粉は下に落ちるというモノなのです。日本ではみかけませんよねえ。そしてキロで買うほど安いというたくさんのレモン。
大きなテーブルに引き出しから出したテーブルクロスを広げた。これってステキなこと、あこがれちゃうわ。グラスやフォークなどをパパがセットする。オリーブ、ムール貝、イワシフライ、白身魚フライ、マリネー、もう一つの貝それにレモン、いろーんなもの入れて作ったでっかいお好み焼き３枚、エビアンが作ってきてくれたガスパッチョ、そしてワインとビール。そのあとでクロスの岬が見えるバルコニーでミント入りテ（紅茶です。ちなみにレモン入りはテ コン リモン、ミルク入りはテ コン レチェよ）。このミントはバージェがバルコニーで栽培しているものだって。明日はお別れ。お別れパーティでもあるわけだ。オリーブの入れ物（皿と楊子立てと楊子捨てが一緒になっているもの）私とっても気に入っていた。それをおみやげに持たせてくれたの、オリビアと私に。本当に嬉しかった。ムチャス グラシアス（とってもありがとう）バージェ。
＜フリヒリアナっていったい＞
午後小旅行へ。バス３０分、タクシー１０分で白い街並みが素晴らしい街へ４人で出掛けた。左にコスタ デル ソルを眺めながら。フリヒリアナは華々しく紹介されることは少ないが、知る人ぞ知る景勝の地でその覚えにくい名とは裏腹に、一度訪れた旅人には絶対に忘れさせない強烈なインパクトを持っている。小型の自動車がやっと通れる程度のメイン通りには、観光客相手の陶器の専門店やら、絵はがき、民芸品を扱うお土産やさんがちらほらするが、ちょっと横の路地に入ると、ほとんどの路が踊り場を継ぎ足した様な、幅が広く勾配の少ない階段でつながっている。
真っ白い家の玄関先やベランダは、季節の花々で綺麗に飾られ路地も隅々にまで掃除が行き渡り、清潔感の漂う村である。
教会の中へも入った。お祭りの時にはマリア様の像を運び出し、ローソク持って、行列するとか。山小屋風の喫茶店に入り、暑さをしのいでビーノティントで一服もした。ビビアン、エビアンは前にも来たことあるそうで、私達の写真をたくさん撮ってくれた。ここで撮った写真で年賀状を作成し、親戚や友達をうらやましがらせる。女一人写った年賀状を作るとはさすが魔女”とビビアンよりおほめ（？）のことばもらう。ここはスペインの中で“天国に一番近い街”と思う。（天国のお土産７９個の紫のガラスで出来ているネックレス、私のために。うふふ）。
＜恐怖の１０回往復事件＞
ビビアンに任せっきりのリコンファーム（出発３日前にする飛行機の確認）。営業所が電話に出ないと焦っている。
フリヒリアナの帰りエウヘウニオ宅へ寄ると言うビビアン、とりあえずは家へと言うエビアン、ケーキかアイスクリームでも買って帰ろうと思い、私達２人は街をぶらつく。魔女人形探しもあるしね。屋台のようなクレープやさんのような店で、ソフトクリーム買ったり街の子になりきっていることを実感する。
広い公園からフラメンコが聞こえる、ちょっと見たらステージで踊りも・・・。急がなきゃとビビアン宅へ、（ム、いない）鍵しまっている。エウヘウニオ宅へ向かう途中又公園に引き寄せられる。今度戻ったらエビアンがいる。“ビビアン公園に行っているよ。あとから私も行く”と言うので行ってみるとすぐビビアンが見つかった。あんなに人がわんさと２～３００人いたのに、偶然会えた。
＜公園で会えた＞
この公園は、昔の魚の養殖場跡という遺跡の周りが公園になっているという造り。端の方に何軒かのおみやげの店や、カルチャーセンターとかがある。エビアンはここでボビンレースを習っていると言っていた。無料のコンサートを見てから、私とオリビアが写真撮り合っていたら先の方の店から私を呼ぶ声がする。
“マリアさーん、早く来て、早く”
ビビアンに呼ばれた。行ってみると、５０センチの男の魔女（？）の人形が、それもただ一つ。これって私の為？すぐ購入決定。ビビアン見つけてくれてありがとう。
そしてトレドの人形の件でお世話になったクリスティーナに人形を手に入れたとの手紙、人形を手にした私の写真と共に送りました。クリスティーナへの手紙（クリスマスカード）＊＊＊Thank you on this September 5th .Ｉtook “Witch doll” to Japan because
of your help.Toledo was wonderful city. I went to see the day snowing ,and
raining in TOLEDO. Thank you Cristina. See you.
from Maria
もう１度ビビアン宅へ戻り、エビアンを連れてエウヘウニオ宅へ。しかしこの間ビビアン宅前、深夜１２時位なのに子供（小学生くらい）が階段に腰掛けて話をしたり遊んだりしている。その前を１０回も行ったり来たり、オラ、アディオス、アスタルエゴ、と通って最後には友達みたいになっちゃって記念撮影をしたもんだ。これが恐怖の１０回事件というわけだ。
＜岬のクロス物語＞
ちょっと足疲れた。前日フロ入ってないのを理由に、夜どこかへ案内したいというエウヘウニオに断りのお芝居の予行練習をしながらエウヘウニオ宅へ。実はパパは体の具合が悪く、手術待ちの状態で食事も私達とは違う塩分少な目の特別食なのだ。散歩は体にいいと言っても、無理はさせられない。
本当に疲れてたけどもう一度夜の海を見たかった私は又ビビアン、オリビアと海へ。後からエビアンも来て、クロスの悲しい物語を聞いて、そりゃタカノハナとリエのようだなどと言いつつビーノティント。
このお話というのはね、ロミオとジュリエットの様なふたりがいて、許されない恋故に海に沈められたということ。小高い岩の頂上にライトアップされた十字架があり、その右には岩が二つ。一つは男の頭の上の部分、烏帽子のようなモノで、その右にはぷかっと海面に横顔が浮いている女。そして愛し合っているふたりは海の下の方で手をつなぎ合っているというのです。黒い海に沈んでいる二人、そしてその下の手、それらが見えて、ぞくっとしたものです。
夜１：００。エビアンと私は先に帰り、私は一日ぶりのフロへ。出てからエビアンと黒ビールを飲みつつエビアンの旅行の写真出来上がって来ていたので拝見する。本物のデカイカメラでしかもいい腕なのだろう、ピントピッタリ素晴らしい写真ばかりだった。マドリッドの王宮のシャンデリアの写真と、クロスの写真もらっちゃった。
１：４０ オリビアとビビアンが帰ってきたので、４人そろってポルトガルワインと林檎とマンゴでアルムニェカール最後の夜の写真を撮る。オリビアが風呂から出て４：１０寝る。
